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TLOとライセンス・アソシエイト―新産業創生のキーマンたち/渡部 俊也

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バイオやナノテクが経済誌上を騒がせているが、せっかくの発明研究が直接われわれに恩恵をもたらすことは稀だ。そこでTLO(技術を産業に結びつける期間)が注目されている。そのパイオニアがライマー氏(Stanford大をはじめMIT大、UCSB大などのTLO設立者)だ。
 本書ではさまざまな大成功例をあげ、本日の技術移転のモデルとしている(元リクルートの山本氏は東大のTLO−CASTI−でライマーズ方式を実践している)。その土壌は、シリコンバレーの地Stanford大(リーランド・Sは19世紀末当時、途上の西海岸に腸チフスで他界した息子の名の大学を創設)にはじまる。ヒューレット&パッカードをはじめとしその卒業生が周辺に次々とベンチャーとして起業、いまはそれをTLOが支援している。
 初の試みのセルソーターは”プレスミドDNA”のコーエンと”DNA切断制限酵素”のボイヤーを結びつけたことから始まり、'98の特許制限切れまでに450社にライセンスを供与した。その手法はまず科学誌”ネイチャー”と”サイエンス”に4ヶ月の期限を決め技術供与の条件(契約料やロイヤリティ)を広告した。はじめは誰も取り合わなかったが、最終日には夜中12時までFedexが1万ドルの小切手を配達し続けた。
 その後もヤマハDX-7でお馴染みのFM音源シンセサイザー技術や、断層撮影CT技術のCATスキャナーなど大学研究技術の多くを産業化・具体化した人々に恩恵をもたらしている。いまでも氏は、実際の橋渡し役であるライセンシング・アソシエーターが、”Face to Faceで研究者と企業人をソフトに結びつけるマーケティング(売り込み)が重要だ!”と問いている。
 本邦でも、異文化ならぬ異業種産学を真に結実させ、われわれ医療分野にも新しい風通しを創ってほしいものだ……!!

クインテッセンス出版 書評より

TLOとライセンス・アソシエイト―新産業創生のキーマンたち

TLOとライセンス・アソシエイト―新産業創生のキーマンたち