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真夏のITDN−Tokyo講演会 「インプラントのバイオロジックセンス」

 2012年8月5日(日),ITDN-Tokyo (Implant & Tissue-engineering Dental Network Tokyo:代表 加藤 英治先生)主催による 講演会が東京国際フォーラムにて開催された.なでしこジャパンの快進撃の余韻がのこるこの日の外気温は34℃。真夏の太陽が照りつける有楽町には、多くの臨床家、研究者が集い、会場はロンドンオリンピックに負けない熱気につつまれた.
 「インプラントのバイオロジックセンス」と銘打たれた本講演会は、進歩著しい今日のインプラント治療において、生体応答や生物学的リサーチを考慮した日常臨床こそが、長期予後の獲得に不可欠との思いから、真理探究を志して企画されたものである.
 午前のセクションは、インプラントの生体力学をテーマに、筆者 吉野(東京都北区開業)が「構造力学とメカニカルストレスによる骨の変化」、河原優一郎先生(長野市開業)が「インプラントー骨接触率(BIC)と応力負担部位の評価」と題して,オッセオインテグレーションにおける力学的挙動についてそれぞれ講演した. 午後のセクションでは、「TE−BONEは腸骨移植を凌駕できるか?」と題して、長谷川晃嗣先生(東京都開業)が新規骨再生医療TE−BONEの臨床応用と可能性について言及され、山田将博先生(東京歯科大学有床義歯補綴講座 助教)が「抗酸化バイオマテリアルの臨床家研究」と題し、今後注目されるであろう抗酸化アミノ酸誘導体を応用した多機能性生体材料の現状について報告された。また、本会の代表で、一日を通して会をコーディネートされた加藤英治先生(東京都 目黒区開業)自らが、「インプラントのバイオロジックセンス」をテーマに、インプラント周囲組織のバイオロジックセンスを硬組織と軟組織の2局面に分け、多くの海外文献から科学的根拠を紹介するとともに、実際の臨床例を提示しながら長期経過と予後を報告された.
 ブローネマルクによるインプラントの発見から60年.その機能性から、臨床での普及速度に対し、生物学的考察が遅れている感は否めない。今回の講演会は、インプラン治療のさらなる発展のため、、今、検証の時がきていることを感じさせる一日となった.


 吉野 晃
 (吉野デンタルクリニック 東京都北区開業)