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カルチャロミクス 文化をビッグデータで計測する

知財の保存は古く先史代,羊飼いが小石(計算calculs:歯石の語源)を用いて頭数を記録(アーカイブ)したのに遡る,石窟壁画の象形は文字となり,書籍や新聞など,現在までに膨大なデータとなった.著者らはすべての図書館蔵書を自動スキャンし,電子化する計画を立てた.当初,著作権や個人情報問題で危ぶまれたが,"言葉"の出現頻度と歴史軸情報だけで人類文化を可視的に分析した論文が2010年Science誌に掲載され,同時にそのデータはGoogleで公開された,受験英語の不規則同士は規則化されつつあり,有名人(クリントンBeatles)名の出現率には半減期がある.事件や戦争などの負の集団記憶には忘却曲線がある.逆に脳磁計を用いて記憶を外部化し,死後も自己保存をめざすSF張りの構想もある.エッ! あなたのそのひと言もBig Data?

カルチャロミクス;文化をビッグデータで計測する

カルチャロミクス;文化をビッグデータで計測する

 現在の多細胞生物はすべての材料(Cell Staff)や動力源(ミトコンドリア葉緑体)、細胞接着、公共機能(微生物群落のクオラムセンシングから)等の仕組みを微生物から拝借して進化している。古細菌、細菌やウィルスは、遺伝子の水平伝播により素早く変化に対応し地球創始期の環境さえ変えた。24億年前シアノバクテリアは酸素を生み出し大気にオゾン層を形成し有害紫外線をカットした。02濃度上昇によるCO2やメタンなど温室効果ガス減少で全球凍結が起こった。火山活動などで再度気温が上がった際、氷河などが地中のリンを削り出し海水中リン濃度を上げ、これを利用し(核酸、骨格、ATP等)生命の多様性大爆発が起った。微生物は死後も地中深くエネルギーを蓄え、地球環境〜ヒトの腸内細菌まで、今も我々を支配し続けている!

微生物が地球をつくった -生命40億年史の主人公-

微生物が地球をつくった -生命40億年史の主人公-

9月27日 ITDN主催セミナーのご案内

歯周病を、いま一度考える”の表題で、2016年9月27日、庭のホテル 東京 2F“燦“会議室(JR水道橋駅東口 東歯大新館 白山通り向かい)セミナーを開催します。
  
米国ではOne Healthという新しいコンセプトのもと、ヒト、動物、さらに環境の健康を同時進行で推進するという動きが出てきた。歯周病は犬や猫といったペット動物でも多く見られる。人と動物での類似点、あるは相違点という観点から、新しい病態論が生まれてくるかもしれない。さらに、Drug Screeningや16S metagenomicsといったビッグデータが、これまでの仮説を証明する研究方法論に新しい方向性を示し始めた。本セミナーでは、歯周病を今一度、一見無関係と思われるようなデータから考証してゆきます。

UCLAの西村先生にご講演いただいます。皆さんふるってご参加下さい。

http://implant-kato.com/archives/nishimura_20160927.pdf

ITDN主催セミナーが歯科展望に掲載されました。

2015年12月27日東京国際フォーラムで開催したITDNインプラントセミナーの内容について、UCLAの石島先生より、歯科展望 Vol.127 2016年4月に寄稿、掲載されましたのでアップいたします。

:歯科展望記事はこちら

ヒトラーの科学者たち

 2つの世界大戦はドイツ最高峰の科学者たちを翻弄した.
ロンドン空襲のV2ミサイル開発のファン・ブラウンはユダヤ人虐待の汚名を背負い戦後米国に帰化し,アポロ・ロケットを月に導いた.一方,アインシュタインに天才と評されたハーバー(ノーベル賞受賞)は,毒ガス兵器開発で妻(初の女性博士)を自殺に追いやり,ユダヤ人排斥で研究所を追われ,自ら開発したチクロンBは600万の同胞の命を奪った.
また排斥された多くの学者は米国で原爆開発に協力した.現代科学はパトロン(科研費請求しかり)に異様に依存的である.ニュートリノが注目の日本だが,ブレずにいかないと科学も道を誤る. 負の歴史もあるが闇に目を向けてこそ見える光もある!

ヒトラーの科学者たち

ヒトラーの科学者たち

THE SIXTH EXTINCTION

米国自然史博物館の足元プレートにこうある.”地球規模の気候変動により種の大絶滅に5度遭遇した”.そのたび役者が総入れ替えになった舞台のように繁栄生物が変わった.最後は白亜紀末に起き,その地層のイリジウムの多さから地球外物体の衝突説が1980年代に認められた.”人類の出アフリカ”により6度目がすでに起動している・・・! 人の分布にともない,両生類の大半の種が絶滅し,鳥類,大型哺乳類の乱獲(繁殖と成体への期間が長いため),果てはネアンデルタール人に至るまで(4%のDNA痕跡をわれわれの遺伝子に残し)絶滅に追いやった. 生命進化樹頂点の人類, 温暖化や環境破壊により今, 自らの枝まで切り落そうとしている!?

6度目の大絶滅

6度目の大絶滅

「インプラントにおける治癒の病理」講演会

2014年12月21日(日)表記がITDN-Tokyo主催(東京国際フォーラム)にて行われた.「新編治癒の病理」(2011),「やさしい治癒のしくみとはたらき」(2013)著者の下野正基(東歯大名誉教授)先生にインプラント臨床の疑問に答えて頂いた. 
 講演に先立つ打ち合わせにて“貴君(きみ)がボケで私が突っ込む漫才調でやりましょう〜!?”と,ご提案を受けた.“ボケる“のは得意なので早速,前振りの症例を探し始めた.
閑話休題–(–それはさておき–),本会では, 1.顎骨内病変(根尖病変・エナメル上皮腫など)の発生機序と骨内欠損の治癒.2.咬合力とインプラント周囲骨組織として,過度な力が歯周組織に及ぼす変化について.3.インプラントと天然歯周囲組織の防御力の違いなどについて解説された.
⒈ではまず筆者がエナメル上皮腫区域切除後再建移植された腸骨にインプラント埋入した長期経過例と,嚢胞摘出や歯根端切除の骨治癒経過例を供覧し,下野先生にその発生機序と鑑別法,適切な処置と治癒機転を解説頂いた.
2.の力が歯周組織に及ぼす変化については、吉野晃先生(東京都北区開業)が骨は進化の過程で生命が揚陸した際の重力に耐えるためや,免疫機構内包のため役割が多様化した経緯を述べ,力とインプラントの関係について質問された.
3.では先の下顎骨区域切除移植骨症例では歯槽固有粘膜は無く口腔粘膜から直接アバットメントが貫通していることを示し,この部の治癒の機序や,天然歯周囲軟組織とインプラント周囲軟組織の付着の違いについて解説頂いた.
 インプラント周囲上皮の弱点として,内側上皮は非角化上皮から成るので天然歯付着上皮より3倍も遅いターンオーバーであること.CEJが欠如しており接着タンパクは一部のみの発現で弱く,インプラント周囲上皮には歯肉血管叢はみられず,従って歯肉溝滲出液による防御機構も期待できない.歯槽上線維群も部分欠如しており機械的障壁が低いなど.
 また初期の骨吸収(皿状骨欠損)原因として,歯根膜が無く炎症・免疫応答が遅く防御が弱いためや,CEJがないため上皮先端の位置が骨頂の位置によって決まり生物学的幅径にも不利なこと,過度な応力については,矯正治療の知見から穿下性骨吸収(内部骨吸収)により血管のないインプラント周囲骨側からでなく,血管の多い(破骨細胞は循環血液の単球から分化する)骨髄側から短時間で広範囲な吸収を起こすなどが挙げられた.
−−−−恩師である下野先生に講演を依頼するにあたり大学の友達に,その人となりをリサーチした.1. 一流の研究者で紳士である.2. 留学先がミラノでイタリア通.3. 北海道出身のワンゲルOBで日本100名山のうち過半数以上を登破.なるほど!と思わせる反面,自筆の挿絵(シモノ画伯作)を本講演のため,わざわざ画材屋で絵筆を調達して描いていただいた大作を多用しての解説は,我々素人の脳みそに少しでも記憶を残し,今後のヒントを与えたいというパッションを感じた.“ボケる”どころか,講演後も暫くプッチーニの“誰も寝てはならぬ!”が私の頭の中で鳴り続いていた−−−−